news_mein

多様な宇多派刀剣を堪能。特別展「越中ふくおかの名刀~宇多派の真髄に迫る~」(高岡市福岡歴史民俗資料館で、12/2まで)

2018.11.20 UP

 

昨今、その美しさと精巧さから価値が再認識され、しずかなブームを巻き起こしている日本刀。そんな日本刀の刀匠一派である「宇多派」が、南北朝期に大和より移り住み、江戸時代に至るまで数々の名刀を生み出したとされる越中福岡の地で、宇多刀剣の真髄に迫る特別展が開催されています。

宇多派の刀は質実剛健の風合いが強く、近年では実用刀として高い評価を得ています。また、大名や武家をはじめ、商人や町民まで、身分を問わず作刀したことから、その作域や作風が多彩なことも特徴とされています。今回の特別展では、県指定文化財二振りのほか、地域で代々大切に保管されてきた約20点を展示。

宇多派の匠が打ち込めた多様な刃文を見つめながら、当時の人々とその暮らしに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

第31回特別展「越中ふくおかの名刀~宇多派の真髄に迫る~」

◆会期:2018年10月13日(土)~2018年12月2日(日)9:00 – 16:30

◆休館日:月曜日、11月27日

◆会場:高岡市福岡歴史民俗資料館(高岡市福岡町下向田字畦ヶ谷内15)

◆料金:一般・大学生300円(団体240円)/ 高校生以下150円(団体120円)※土・日・祝日は高校生以下無料

◆問合せ:高岡市福岡歴史民俗資料館 TEL / 0766-64-5602

宮崎駿監督にも影響を与えた伏木生まれの芥川賞作家、堀田善衞を育んだものとは。北前船や堀田一族の資料から紐解く(〜11/25)

2018.11.14 UP

芥川賞作家・堀田善衞(1918~98)は、高岡市伏木の廻船問屋「靏屋(つるや)」の出身で、「広場の孤独」「漢奸(かんかん)」で芥川賞を受賞し、国際的な視野と社会性で、文学に新しい可能性を開きました。スタジオジブリの宮崎駿監督も堀田善衞を非常に尊敬し、またその映画作品も堀田善衛の影響を受けたといいます。

高岡市立博物館では、堀田善衞が今年生誕100周年を迎えることと、その出身地である伏木が北前船寄港地・船主集落の1つとして日本遺産に追加認定されたことを記念して、善衞を育んだ伏木と堀田一族(八坂家・稲垣家・野口家)について歴史資料を中心に紹介しています。

江戸から明治にかけて、北海道〜北陸〜西日本と、西廻りで物資を輸送した北前船は、米や昆布、綿、ニシンなど多種多様な生活必需品に加え、雛人形などの高級品や様々な文化も運びました。

富山県内にも、いくつかの北前船の中継地がありますが、高岡では伏木がその寄港地として栄えました。越中米や高岡鋳物を全国に運び、帰路に綿や昆布、鰊肥などをもたらしました。往時は多くの有力な廻船問屋が立ち並び、伏木はおおいに繁栄しましたが、その中心となる「七軒(当初八軒)問屋」の筆頭に立っていたのが、まさに堀田善衞の生家である「靏(つる)屋(堀田家)」でした。

企画展で展示している北前船のレプリカ

 

高岡市立博物館で11月25日まで行われている展示では、この伏木の北前船をめぐる歴史や、北前船交易を通して隆盛を誇った堀田一族の歴史・人物像等に焦点を当て、堀田善衞を育んだ伏木においての歴史背景や環境などを紐解いていきます。

このほか、富山市の高志の国文学館でも、堀田善衞の生きた時代や文学者としての仕事などを紹介する「生誕100年記念特別展『堀田善衞 世界の水平線を見つめて』」を12月17日まで開催するほか、高岡や富山で関連イベントも多数開催されています(※概要および詳細リンクは記事下をご参照ください※)。

 

*TOP画像について:北前船交易の時代にチラシとして配布された「引札(ひきふだ)」。左が堀田家の配布したもので、今でいう事業主名入りのカレンダーのようなもの。

 

【概要】

・会期:2018年9月8日(土)〜11月25日(日)9:00〜17:00(入館は16:30まで)

・会場:高岡市立博物館 新館企画展示室(高岡市古城1-5 古城公園内)

・入館料:無料

 

◎高岡市立博物館

 http://www.e-tmm.info/index.htm

 

※生誕100年記念特別展『堀田善衞 世界の水平線を見つめて』についてはこちらから

堀田善衞―世界の水平線を見つめて

 

 

 

 

 

 

【堀田善衞関連の催し(11/14〜開催中・開催予定のものを抜粋)】

□生誕100年記念特別展「堀田善衞 世界の水平線を見つめて」

・会期:2018年10月17日(水)〜12月17日(月)9:30〜18:00(入館は17:30まで)

・会場:高志の国文学館(富山市舟橋南町2-22)

・入館料:一般500円、大学生250円

・主催:高志の国文学館

 

□芥川賞作家 堀田善衞 —生誕100年—

 ※著書の一部や直筆の草稿、新聞記事等を展示。

・会期:2018年11月1日(木)〜12月2日(日)9:00〜20:00(日・祝 17:00まで。11月26日は休館日)

・会場:高岡市立中央図書館 2F中央カウンター前

   (高岡市末広町1-7 ウィングウィング高岡内)

・入館料:無料

・主催:高岡市立中央図書館

 

□<<参加受付終了>> 記念講演「堀田善衞をはじめて読むあなたへ」

 ・日時:11月17日(土)14:00〜15:30 ※終了後、担当学芸員による展示解説あり

 ・会場:高志の国文学館 研修室101

 ・講師:高橋源一郎氏(作家) 

 ・受講料:無料

   ・主催:高志の国文学館

 

□記念講座「今、堀田善衞を読むということ」

 ・日時:11月18日(日)10:00〜11:30

 ・会場:伏木コミュニティセンター(高岡市伏木湊町13-1)

 ・講師:小林加代子氏(高志の国文学館 主任・学芸員) 

 ・定員:先着50名(申込不要)

 ・受講料:無料

 ・主催:高岡市教育委員会

 

□特別上映会「風の谷のナウシカ」(スタジオジブリ 1984年 116分)

 ・日時:11月18日(日)14:00〜16:00  ※終了後、担当学芸員による展示解説あり

 ・会場:高志の国文学館 研修室101

 ・定員:72名(事前申込不要)

 ・参加費:無料

  ・主催:高志の国文学館

 

□読書会「堀田善衞20の言葉—堀田善衞をよむために」

 ・日時:11月23日(金・祝)14:00〜15:30

 ・会場:高岡市生涯学習センター創作工房504

    (高岡市末広町1-7 ウィングウィング高岡内)

 ・講師:生田美秋氏(高志の国文学館 事業部長)

 ・定員:先着50名(申込不要)

 ・受講料:無料

 ・主催:高岡市教育委員会

 

□「堀田一善さんに聞く」(平成30年度 郷土学習講座 第2講)

 ・日時:11月24日(土)14:00〜15:30

 ・会場:高岡市立博物館 新館3階講堂

 ・講師:堀田一善氏(堀田善衞甥、慶應義塾大学名誉教授)

 ・定員:先着80名(申込不要)

 ・受講料:300円(高岡市立博物館の親しむ会会員は200円)

 ・主催:高岡市立博物館

 

□<<参加受付終了>>「堀田善衞と上海」(平成30年度 高志の国文学館 文学講座/県民カレッジ連携講座)

 ・日時:11月25日(日)14:00〜16:00

 ・会場:高志の国文学館 研修室101

 ・講師:秦剛氏(北京日本学研究センター教授)、紅野謙介氏(日本大学文理学部教授)

 ・受講料:無料

 ・主催:高志の国文学館

 

 

 

古城の杜のお茶室で愉しむ一服。高岡市立博物館 呈茶の会、11月17日(土)に開催(事前申込不要)

2018.11.13 UP

国指定史跡・高岡城跡の入り口にある「高岡市立博物館」にある茶室「松聲庵(しょうせいあん)」では、春・秋の年2回、誰でも気軽に楽しめるお茶会が開催されています。

今年の秋開催は11月17日(土)。参加料は400円(事前申込なし)で、普段茶道に親しんでいない方でも気軽に体験することができます。

茶室内はもちろん、待合スペースでより気軽に楽しんでいただくこともできます

 

博物館では、高岡の歴史・民俗・伝統産業などをわかりやすく展示する常設展「高岡ものがたり -楽しく知ろう!ひらめき・ミュージアム-」のほか、この日は企画展「堀田一族と伏木 ~堀田善衞(よしえ)生誕100年・日本遺産「北前船寄港地」追加認定記念」も開催されています。

 

秋のやわらかな陽差しや空気を、お茶室で抹茶をゆっくり飲みながら感じてみませんか?

 

【概要】

・日時:2018年11月17日(土)10:00〜15:00

・場所:高岡市立博物館内「松聲庵」(高岡市古城1-5 古城公園内)

・参加料:400円(お茶とお菓子/事前申込不要)

 

◎高岡市立博物館

 http://www.e-tmm.info/index.htm

◎企画展「堀田一族と伏木 ~堀田善衞(よしえ)生誕100年・日本遺産「北前船寄港地」追加認定記念」

宮崎駿監督にも影響を与えた伏木生まれの芥川賞作家、堀田善衞を育んだものとは。北前船や堀田一族の資料から紐解く(〜11/25)

 

伝統産業に携わる企業のコラボで新商品続々!19種55点を展示販売中(2019年3月24日まで)

2018.11.09 UP

高岡銅器や高岡漆器、菅笠などの伝統産業に携わるメーカーや問屋関係者と高岡市デザイン・工芸センターが取り組んできた新商品開発が実を結び、現在株式会社能作の本社ロビーで試験的に展示販売を行っています。

この展示販売は高岡市デザイン・工芸センターが市内企業と取り組む商品開発研究会の成果を発表するもので、平成29年度〜平成30年度は「課題のデザイン」をテーマとし、デザイナー安次富隆(あしとみ・たかし)氏監修のもとに13社が参加し、研究を重ねてきました。「アルミ鋳物食器の広がり」、「塗装技術の新分野展開」、「次の世代の祈り製品」、「素材の発見を活かしたデザイン」など、参加企業のみなさんがそれぞれ設定した課題に基づいてお互いに知恵や意見を出し合い、試作品を持ち寄りながら、デザイン性の高い商品を生み出しました。

今回はこのほか、平成26年度〜平成28年度の期間に同事業で開発された、高岡の地域資源を素材としたギフト商品も並びます。

 

出品商品の1つ、駒井漆器製作所が考案した「鍛木皿(たんもくざら)」。シマタニ昇龍工房、IRON CHOP 澤田健勝氏と共同開発した

 

高岡漆器の技術を活かして表面に鎚目(つちめ)を施した「鍛木皿(たんもくざら)」、高岡銅器の技術を生かして伝統的な麻の葉文様などを鋳肌(いはだ)に施した「おろし板」、螺鈿(らでん)で装飾した「螺鈿インターホンパネル」、おりんの技術を生かした美しい音を響かせる真鍮(しんちゅう)製の「乾杯ベル」など、ユニークで生活に取り入れたくなる商品の数々。

高岡の伝統産業の新たな可能性に触れ、身近に感じてみませんか?

 

【概要】

・日時:2018年10月7日(日)〜2019年3月24日(日)10:00〜18:00

・場所:株式会社能作 本社ロビー(高岡市オフィスパーク8-1)*年末年始は休業

・内容:銅器、漆器、菅笠等の技術を活用した開発品(以下)の展示・試験販売(19種、55点、約15社)

・監修:安次富 隆[プロダクトデザイナー、多摩美術大学教授]

・問合先:高岡市デザイン・工芸センター [担当者:日野、岩水]

 TEL 0766-62-0520  FAX 0766-62-0521  E-mail: tdcc★suncenter.co.jp

※メールアドレスは、★を@に替えてください。

 

◎高岡市デザイン・工芸センター

 http://www.suncenter.co.jp/takaoka/

真宗王国・富山を代表する寺院、勝興寺の貴重な寺宝を手元で堪能。文化財デジタルアーカイブが今秋公開

2018.11.08 UP

今年高岡で話題の、伏木のお寺「雲龍山勝興寺」。1998年から20年に渡って大修理が行われていますが、今年8月から本坊の一部公開がスタートしました。

この寺院は、浄土真宗の中興の祖と言われる蓮如上人が越中における布教の拠点として開き、その子息や加賀前田家の子息が住職を務めてきた由緒あるお寺で、本堂を始めとする12棟もの建造物が国の重要文化財に指定されています。

今年は本坊の一般公開を記念し、高岡市美術館や勝興寺で宝物展も開催されました。由緒あるお寺だけに、勝興寺には、武田信玄、浅井長政、豊臣秀吉、前田利長等、有名な戦国大名の文書をはじめ、蓮如、顕如の筆跡や文書、重要文化財「洛中洛外図屏風」などの絵画、天皇家や公家、加賀前田家や有力大名とのつながりを示す工芸品など、貴重な寺宝が多数所有されています。

花籠図

 

この秋、これらの宝物をインターネット上で見ることのできるデジタルアーカイブが公開されました。拡大したり回転させたりもでき、実際に見てもわからないようなディテールまで見え、かなり資料価値のあるものとなっています。

デジタルアーカイブで寺宝を堪能し、実際のお寺にもぜひ足を運んでみてください。

 

◎雲龍山勝興寺/文化財デジタルアーカイブ

 https://trc-adeac.trc.co.jp/wj11c0/wjjs02u/1620295100

 

◎富山県高岡市伏木・雲龍山勝興寺 

 https://www.shoukouji.jp/

今年も開催!GEIBUNのオープンなプロジェクト授業「芸術文化探求」全7回(聴講無料/事前申込不要)

2018.11.07 UP

富山大学芸術文化学部において、実践的な学習を通常の時間割に組み込み単位化する「プロジェクト授業」の一環として、平成27年より毎年開催されている「芸術文化探求」。

4年目となる今年も「芸術文化の本質を求めて」をテーマに、さまざまな分野で活躍する豪華な講師陣を招き、全7回の講義が開かれます。すべて一般聴講可能。造形、建築、デザイン、アートをはじめ、キュレーションや人形芸術、まちづくりといった多様な視点から語られる刺激的なお話は、芸術、文化、デザインに関わる人はもちろん、他分野の方こそヒントの多い講義かもしれません。ぜひこの機会に高岡キャンパスへ足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

ー富山大学芸術文化学部 平成30年度プロジェクト授業 特別講義「芸術文化探求」2018ー

「芸術文化の本質を求めて」

「もの」から「こころへ」、質を重視する社会にとって、生活や産業に芸術文化の成果を活かしていくことが重要と考えられています。しかし、現実にはそれを職業として成立させていくための知見や実績が不足しており、十分な社会的理解が得られていないという課題があります。本授業では、絵画や工芸、デザインやキュレーションという行為を、社会が必要であると認めるために如何に取り組むべきかについて、さまざまな事例を学びます。表現の専門にとらわれず、創造的行為を社会に展開していく上で、共通に必要となる発想法、思考法、実践方法について理解を深めます。(開催案内チラシより)

◆講義日程(全7回)

01. 「ことばをデザインする仕事」

   2018年11月15日(木) 小林 章/タイプデザイナー                 

02 . 「人に夢を与えるもの」

   2018年11月16日(金) 中村 信喬/人形師

03. 「見えるものと見えないもの」

   2018年11月22日(木) 清河 北斗/造形作家                

04. 「色がない建築なんて!」

   2018年11月29日(木) エマニュエル・ムホー/建築家・デザイナー                

05. 「伝統への敬意と挑戦」

   2018年12月 6日(木) 田中 健太郎/棟梁                

06. 「ものの見方を変える呪文」

   2018年12月14日(金) 長谷川 祐子/キュレーター                

07. 「地方都市の風景おこし」

   2019年1月11日(金) 西村 幸夫/都市工学者                

◆開催時間 18:15 – 19:45(開場 18:00)

◆開催場所 富山大学芸術文化学部 高岡キャンパス講堂(富山県高岡市二上町180)

アクセス http://www.tad.u-toyama.ac.jp/outline/access.html

◆一般聴講可(無料・事前申込み不要)

◆問い合わせ 芸術文化学部総務課学務チーム

TEL/0766-25-9130 メール/tkyomu1★adm.u-toyama.ac.jp

 ※メールアドレスは、★を@に替えてください。

 

ー詳細PDFはこちらー

http://www.tad.u-toyama.ac.jp/news/images/2018_181026.pdf