アートNPO代表・美術家の米田昌功さんのインタビューを公開しました。
「関係性の変化を起こす、人の考えを転換していくということが、私たちの活動で一番大事なことであり、この過程そのものがアートだと思っています」。
—アートNPO代表としてアール・ブリュットの支援・紹介を行う傍ら、美術家として自身の制作活動にも勤しんでいる米田昌功さんに、お話を伺いました。
こちらからお読みください。
米田昌功
※肩書は取材当時のものです
「関係性の変化を起こす、人の考えを転換していくということが、私たちの活動で一番大事なことであり、この過程そのものがアートだと思っています」。
—アートNPO代表としてアール・ブリュットの支援・紹介を行う傍ら、美術家として自身の制作活動にも勤しんでいる米田昌功さんに、お話を伺いました。
こちらからお読みください。
米田昌功
※肩書は取材当時のものです
高岡市内の工場・工房を紹介する「工場・工房」のページにて、
つぎの3つの工場・工房を新たに追加しました。
・北辰工業所(鋳造)
・小野研磨工業所(研磨)
・色政(着色)
ぜひご覧ください。
工場・工房
*画像提供:色政
400年以上の歴史を誇る高岡銅器。分業制のため、市内には多種多様な技術をもつ職人さんがいらっしゃいますが、企業・工房どうしで連携した新しい取組み、ユニークな取組みが盛んなことも高岡の自慢の1つといえるかもしれません。
今回ご紹介するのは、そんなユニークな工房のひとつ、北辰工業所( http://www.meivan.com/ )から広がっている、楽しくて美味しい取組みです。
***
表札・銘板や記念碑、オリジナルの焼印等をはじめ、クライアントの要望に応じた鋳物づくりを行ってきた北辰工業所。再生アルミニウムを活用したデザイン性の高い鋳物皿「FUKITO」が2016年にグッドデザイン賞を受賞するなど、柔軟な姿勢で時代にあわせたものづくりを行っている工房です。
その代表である鋳造技能士、定塚康宏さんには、もう1つの顔があります。それが「たい焼き職人」。20数年前、「長年培った鋳造技術で地域を盛り上げたい」との思いから、地元・高岡大仏の大判焼型を鋳造し、様々なイベントで自ら実演販売を行ってきました。それだけでなく、誰でも実演販売ができるようなレシピや練習用材料の提供・仕入先紹介なども行うなどのサービスも奏功し、これまで実に全国180箇所以上にオリジナルたい焼き・大判焼の焼き型を納めてきました。
現在のプロジェクトの契機となったのは、あるときテレビ局から持ち込まれた「2メートルのたい焼きを作りたい」という企画でした。そうはいっても2メートルは難しいだろうと、企画は実現しなかったのですが、検討を経て2015年には1m級の焼き型を制作。2016年には専用の焼き台も完成し、関心のある市民のみなさんの前で発表したり、ビジネスフェアに出展したりしながら、何度か試作を重ねていたのでした。
ちなみに焼き台は大阪の会社に発注したのですが、大阪の職人さんも面白がりながら作ってくれたのだそうです。
2年のブランクを経て、2018年末に再始動
2016年の段階では、1mたい焼きの薄皮の中に通常サイズのたい焼きを250〜300個入れるという方法で行っていた試作。ところが、1mサイズの焼き型にそのまま小麦粉と餡を入れた本来のたい焼きの形ではなかなか火が通らず苦戦し、プロジェクトは一時中断していました。
2年のブランクを経た2018年末、プロジェクトの存在を知る仲間からの声もあり、定塚社長は再始動を決断。年明け2019年1月には、第1弾イベントを開催しました。
この日は興味のある方々の顔合わせということで、久々に焼き型に火入れをし、集まった人々で交流を図りながらいろんなアイデアを出し合っていました。
写真は、取材に伺ったときの様子です。
ちょうどその日、テレビでもたい焼き特集をやっていたらしく、その時点でのたい焼き日本一は60cm。この70cmの型や1mの型で、ちゃんと厚みのあるたい焼きが完成すれば、日本一、あるいはギネスも夢じゃない!?
大学生・高校生も研究に加わり完成へ
以後、プロジェクトは毎月の試作を続けてきました。失敗も成功の糧にしながら、そのたびに入れ替わり立ち替り、市内外からいろんな人が応援に駆けつけたり、知恵を出し合ったり。
2019年春からは、富山県立大学で工学を専門とする岩井学先生、高岡向陵高校で物理を専門とする藤川武命先生にも声をかけ、学生・生徒の皆さんの研究材料としても試作がスタートしました。
5月にようやく一つの完成を見たあともさらに研究を重ね、10月には富山県立大学・高岡向陵高校、それぞれの学園祭でもお披露目。
ミルフィーユ型たい焼きの作り方に密着
こうして1年を経て、大進化を遂げた「世界一のたい焼きプロジェクト」。久々に現場の声を聞いてみたいと、約1年強ぶり(2020年3月)に試作の場にお邪魔してみました。
この日は、今後この巨大たい焼きを様々なイベントなどで活用してもらうことを目指したHow to映像の撮影のため、定塚社長、富山県立大学の岩井先生、高岡向陵高校の藤川先生の3名で試し焼きを実施。
この日に作られたのは、学生のみなさんが考案したミルフィーユ型のレシピ。皮と餡・さつまいもを交互に重ね、学園祭でも大好評だったレシピです。
「高岡をたい焼きのまちにしたい」
「プロジェクトを通じて、たい焼きを楽しむだけでなく、集まった人々に自分の特技や好きなことを生かしてほしいんです」。定塚社長はプロジェクトに込める思いをこう話します。
「人それぞれの関わり方があると思いますし、たとえば自分が思う『たい焼き』を思い描いてもらって、それを型にして焼いて食べたり、人にあげたりということが広がっていくのも面白いと思っています。『高岡に行ったらどこの家でもたい焼きが出てくる』って言われたりしてね(笑)」。
たとえば最近では、井波彫刻の職人さんが獅子舞の獅子をかたどった原型を製作し、獅子舞型の焼き型ができつつあります。
「1m級のたい焼きを焼く」ということも、まだまだ発展途上なのだそう。
「3年計画で考えています。これからもいろんな違う業種の方とお会いして、知恵をお借りし、あと2年のなかで、どうやって広めていけるか。試作も、焼く人の度量で全然違うものが出てくるので、まだまだ終わらないですよ」。
1mのたい焼きにしろ、通常サイズのたい焼きにしろ、たい焼きが焼ける人を増やして「たい焼きのまち高岡」を作りたい——1mたい焼きの先には、そんな野望が定塚社長にはあるようです。
これからも富山県立大学・高岡向陵高校とも引き続き連携しながら、定期的に場が設けられる予定となっています。今後2年の間に、思わぬつながりから広がる、新たな展開もあるかもしれないですね。
ご興味ある方は、ぜひYouTubeやFacebookページをチェックしてみてください!
◎Facebookページ「たいやき世界一に挑戦!」 https://bit.ly/2URDSdL
◎世界一たい焼きの作り方(3月の取材時に撮影されていたもの) https://www.youtube.com/watch?v=08hn5UjK-Xo
高岡市内の国宝・瑞龍寺を拠点とし、世代を超えてつながる学びの場があります。
その名は「熱中寺子屋」。
もともと2015年10月に山形県高畠町で、廃校を利用して始まった「熱中小学校」をモデルに、全国3番目の「熱中小学校」として2016年に始まった取り組みです。
約半年間、月1回集まって、地元や全国で活躍されている方を講師としてお話を伺ったり、実習などを行ったりするほか、「課外授業」として県内各地のお祭りをみんなで見に行ったり、「部活動」を行ったりと、様々な展開が広がっています。講師もIT企業などの社長、大学教授、デザイナー、技術者、職人など幅広く、ここでしか聞けないような話が盛りだくさん。現在は4月18日(土)から始まる第8期を募集しています。
荘厳な雰囲気の瑞龍寺のなかで、一体どんなお話が聴けるのか?
第7期の、ある日の講義の様子をご紹介しましょう。
この日は「情報」の授業として、「世界最高齢アプリプログラマー」として知られるITエヴァンジェリストの若宮正子さん、そして「家庭科」の授業として、北陸唯一の種麹店である石黒種麹店の石黒八郎さんが先生として来校。
「私は創造的でありたい」と題された若宮先生の授業では、エストニアの電子政府のお話を中心に、様々な事例を紹介していただきました。
いろんな国に占領された歴史をもつエストニアは、「情報は国家なり」という理念を持ち、外国人でも仮想国民になれる”e-residency“という制度を持っています。「国民のデータがあればどこにでも国が作れる」「世界中に仮想国民がいれば、何かあっても世界中から声を上げてくれる」という考え方で、国の防衛をソフトパワーから行おうという画期的な制度です。若宮先生もエストニアの仮想国民になっていて、日本にいながらエストニアに会社を作ることだってできるのだそうです。
そのほか、スウェーデンの男女共同参画社会づくりのお話や、イスラエル製の視覚障害者のためのウエアラブル端末を体験したお話、たった10歳で起業家になる!と宣言しクラウドファンディングで資金を集めてエストニアに行った日本人の女の子のお話など、普段見ている世界を超えさせてくれるような、新たな視点をたくさんいただくことができました。
「年齢は単なる数字にすぎない」「人間70、80は伸び盛り!」と断言する姿が、とても格好良く、みなさん熱心にお話に耳を傾けていました。
2限目は、全国に10軒ほどしかない種麹店の1つ、石黒種麹店の当主・石黒八郎先生による「腸内環境にやさしい発酵食品」。
南砺市(福光)で江戸時代から麹を作っていましたが、種麹店として明治28年に創業。一子相伝という希少な技術で受け継がれてきた独自の種麹を用いて、麹を昔ながらの麹蓋製法で1枚1枚手作りしています。種麹は、現在では6種培養しているとのこと。上の写真で手に持っているのが麹蓋ですが、驚きなのは、これを逆さにしても落ちないということ。たくさん菌糸がついているのは、いい麹である証拠だそうです。
米が麹になることでの大きな変化は、米になかった酵素が100種類、成分が400種類生まれることだそうです。麹や発酵食品は近年大変注目を浴びていますが、なかでも日常に取り入れやすい食品の1つとして「甘酒」をご紹介いただきました。
甘酒が「飲む点滴」と呼ばれているのは、聞いたことがある方も多いでしょう。実際、甘酒には、ブドウ糖、必須アミノ酸9種類、ビタミンB群が豊富に含まれ、これが点滴の成分とほぼ同じなのだそうです。また、オリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれており、これらが「第2の脳」と呼ばれる腸内環境を整え、体の免疫力や肌の保湿力を高めてくれるといわれています。最近の研究では、「エルゴチオネイン」という、抗酸化力が非常に高い成分が含まれていることもわかっています。そのパワーたるやビタミンEの7000倍ともいわれ、石黒先生いわく、「1g20万円もする美容成分」なのだとか(!)。
ちなみにこの熱中寺子屋、毎回違う先生が違うテーマでお話をしてくれたり、生徒(寺子)どうしの活動や交流も盛んに行われたりしているので、期をまたいでリピート受講している方もたくさんいます。
1期からずっと受講している寺子の方に「熱中寺子屋」の魅力を伺ってみると、こんな答えが返ってきました。
「毎回の講義で、知らない世界の扉がちょっとだけ開くんですよ。1時間半だけだと分からないこともあるから、そこから気に入ったこと、気になったことをネットで調べたり、実際見に行ってみたりしています。テレビだと聞き流してしまうテーマでも、生で聴くことで興味が湧くことも多いんです」。
4月からの第8期も多種多様なテーマと講師陣が勢ぞろい。世界を広げたい方、仲間を見つけたい方は、まずは見学からでも参加してみては?
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「高岡熱中寺子屋 第8期」
・日 時 令和2年4月18日(土)~9月19日(土)13:00~16:30
※5月15日(金)、9月23日(水)は課外授業(自由参加)
・会 場 国宝・瑞龍寺 大庫裏 ほか
※初回4月18日はネット配信予定
・日程・参加方法等
https://www.necchu-terakoya.com/blank-4
・講師陣とテーマ
https://www.necchu-terakoya.com/7
◎高岡熱中寺子屋
https://www.necchu-terakoya.com/
https://www.facebook.com/necchuterakoya/
北陸最大の音楽の祭典、「風と緑の楽都音楽祭」。北陸3県で同時開催しているこの音楽祭では、こどもたちのブラスアンサンブルから世界を股にかけるアーティストまで集結し、魅力あふれるプログラムを展開しています。
高岡では、勝興寺や高岡市生涯学習センターで4公演を予定。サクソフォン奏者須川展也さんのコンサートでは、「宝島」(和泉宏隆作曲)を一緒に演奏するサクソフォン参加者も募集しています!
各公演の詳細は下記。チケットは好評販売中です!
<オープニングファンファーレ>
1984年発足以来輝かしい活動と受賞歴を誇る、野村小学校ウインドアンサンブルが音楽祭の始まりをファンファーレで飾ります。
■日時 2020年4月29日(水)11:00開演
■場所 ウイング・ウイング高岡広場
■出演者 野村小学校ウインドアンサンブル
■入場料 無料
<ウラジオストク・ロシア民族アンサンブル>
のちのロシア芸術音楽の源泉となるロシア民謡。歌と踊りとバヤン、バラライカの響きをお楽しみください。
■日時 2020年4月30日(木)19:00開演
■場所 高岡市生涯学習センターホール(ウイング・ウイング高岡4階)
■出演者 ウラジオストク・ロシア民族アンサンブル
■入場料 1000円(全席自由)
※当日500円高
※未就学児入場不可(ただし親子席での鑑賞は可能。事前申込要)
<風と緑と“かがやきブラス”!>
富山・石川出身メンバーによる金管五重奏。歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲ほか、躍動感と力感に溢れたブラスサウンドをお届けします。
■日時 2020年5月2日(土)14:00開演
■場所 勝興寺本堂
■出演者 かがやきブラス(角允彦:Tp、葉室晃:Tp、安田健太:Hr、廣瀬大悟:Tb、上森菜未:Tub)
■入場料 1000円(全席自由。勝興寺工事協力金500円含む)
※当日500円高
※中学生以下無料(3歳児以下入場不可)
<須川展也サクソフォンコンサート>
日本が世界に誇るサクソフォン奏者・須川展也と、伴奏のイメージを変えてしまうアンサンブルピアニスト・小柳美奈子が出演。第1部は地元参加者とともに「宝島」を合奏。第2部は須川展也「革命児ピアソラの世界」。
■日時 2020年5月3日(日)17:00開演
■場所 高岡市生涯学習センターホール(ウイング・ウイング高岡4階)
■出演者 須川展也(サクソフォン)、小柳美奈子(ピアノ)
■入場料 一般2000円、高校生以下1000円(全席自由)
※当日500円高
※未就学児入場不可(ただし親子席での鑑賞は可能。事前申込要)
★須川さんと一緒に「宝島」!サクソフォン参加者を募集。
*参加資格:サクソフォン経験者で、楽器を各自で持参できる方
*合奏曲:「宝島」(和泉宏隆作曲)※事前の練習をお願いします
*参加料:上記入場チケットのみ(事前にお買い求めください)
*申込方法、その他詳細はこちらへ。
https://www.takaoka-bunka.com/events/event/takaoka-g2020sugawa/
◎お問合せ先
(公財)高岡市民文化振興事業団事業課
TEL 0766-20-1560
E-mail. shimin@takaoka-bunka.com
◎プレイガイド
高岡市生涯学習センター、アーツナビ(富山県民会館、富山県教育文化会館、富山県高岡文化ホール、新川文化ホール)、高岡市ふくおか総合文化センターUホール、石川県立音楽堂チケットボックス
人が何らかの行為の積み重ねで表現する意図や目的には、様々なものがあります。
「アート」とは、「芸術」とはなんでしょうか?
技術や美術感覚を磨き、古来の伝統を継承し高みを目指していくものだけが芸術であり、見る人の心を動かすのでしょうか?
前衛芸術家として知られるジャン・デュビュッフェは、1947年、その対極にあるものとして、「アール・ブリュット(生の芸術)」という美術概念を提唱しました。それまで無視されていた、美術の動向や美術教育の影響と無関係のところで、衝動のままに創られた、自由で独創的な絵画や造形、表現の事を指しています。
例えば、なんらかのハンディのある方々が、福祉施設や病院、自宅などでひっそり衝動のままに形にしてきたものたち。それらが第三者の目によって見出され、多くの人の目に触れることによって、ときに人々の既成概念や世界観を打ち破るだけでなく、大きな感動をもたらすこともあります。
こうした作品を展示する展覧会「mochicon(もちこん)展」が、2020年3月12日(木)〜3月15日(日)の期間、高岡市美術館市民ギャラリーで開かれます。
もともと「作品として誰かに見せよう」と創っていないものを、「とにかくいっぺん飾ってみましょ」と呼びかけて持ち込んでもらった作品たち。創作者それぞれの広大な心象風景を見ることは、新しい世界に出会う体験になるかもしれません。
「とにかくいっぺん」見に来てみませんか?
【概要】
■mochicon展 ART・BRUT◎TAKAOKA5
・会期:2020年3月12日(木)〜3月15日(日)
・時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
※15日は16:00より出品者による撤収作業あり
・会場:高岡市美術館 地下1階 市民ギャラリー
・入場料:観覧無料
・主催:高岡市
・共催:NPO法人障害者アート支援工房ココペリ
【同時開催】
□岐阜の2人展 —招待作家による特別展—
SADA 升山和明
□富山の7人展
KATSUNORI 島雄介 末永征士 前田拓海 宮本昇汰 谷内英理菜 Yuiga
【問合先】
NPO法人障害者アート支援工房ココペリ
◎NPO法人障害者アート支援工房ココペリ