富山、石川、福井の北陸3県を舞台にした工芸の祭典「北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2021」が、2021年9月10日(金)~10月24日(日)に行われます。
23品目の国指定の伝統的工芸品(2021年1月15日時点)を有する富山、石川、福井の北陸三県で、その魅力を国内外により広く伝えるため2020年から始まったのが、北陸工芸の祭典「GO FOR KOGEI」です。
「GO FOR KOGEI 2021」では、秋元雄史氏(東京藝術大学名誉教授、練馬区立美術館館長)の総合監修のもと、「工芸の時代、新たな日常」をテーマに、46組の作家・ディレクター・職人によるさまざまなプログラムが展開されます。
◆勝興寺が展示会場に。特別展I「工芸的な美しさの行方 工芸、現代アート、アール・ブリュット」
「GO FOR KOGEI2021」では、2つの大型特別展を5会場で同時開催。
特別展I「工芸的な美しさの行方 工芸、現代アート、アール・ブリュット」は、高岡市の重要文化財・勝興寺が展示会場のひとつとなります。
本特別展は、⼯芸を中心に、現代アート、アールブリュットの世界で活躍する若⼿から実⼒派まで総勢20名のアーティストが参加。より広域化・多様化した、今日のアートとして紹介されます。
特別展I「工芸定期な美しさの行方 工芸、現代アート、アール・ブリュット」の舞台となる勝興寺
この展示の見所のひとつは、技術力だけにとらわれない、工芸の新たな価値評価の提示です。通常、⼯芸においては、「職人の技術力」が価値の高さと考えられていますが、それに対立するような「反技術」や子どもの遊びのような「⾮技術」といった対照的な作品を同時に展示することで、手法の広がりと可能性を感じていただけます。鑑賞者にとっては、 “上手い・下手”といった従来の価値観を超え、いきいきとした表現の作品に出会う機会となりそうです。
また、高岡市にある重要文化財・勝興寺をはじめ、那⾕寺(石川県小松市)、⼤瀧神社・岡太神社(福井県越前市)といった歴史的建造物が舞台となるのもこの展示の魅力。文化財の空間に呼応した、⼯芸の概念を超えるスケールの⼤きな展⽰作品に注目です。
特に、勝興寺は、2021年春に23年間にわたる大修理を終えたばかり。
竣工後初めての大型展覧会となる今回は、大広間、式台、台所などの重要文化財内部や、本堂をつなぐ渡り廊下および境内といった広大なエリアで、11名の多彩なアーティストの作品が展示されます。
四代 田辺 竹雲斎《CONNECTION -GODAI-》2019 Photo MINAMOTO Tadayuki
左)展示風景「須藤玲子の仕事-NUNOのテキスタイルができるまで」(2020) Centre for Heritage, Arts and Textile(香港) Courtesy of CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)
右)《正己地蔵》1992- 展示風景「あるがままのアート -人知れず表現し続ける者たち」(2020) 東京芸術大学大学美術館 Photo : WATANABE Osamu
勝興寺の荘厳な空間に、どのような作品が展示され、どのような表情を見せてくれるのでしょうか。
これまで勝興寺を訪れたことがある人もない人も、ぜひこの機会に足を運んでみてください。
勝興寺 出展作家一覧・詳細はこちら
GO FOR KOGEI では、その他にも、”デザイン化する工芸”を切り口に、各界のエキスパートと北陸の工芸作家や職人がコラボレーションするプロジェクト型の特別展II「工芸×Design 13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿」や、北陸の工房をオンラインで訪問する「ホクリク・スタジオ」、地域発の7つの“工芸祭”をつなぐスタンプラリー「トヤ・エチ・ラリー」などの様々なプログラムが行われます。
「トヤ・エチ・ラリー」では、東は富山市(トヤ)から西は越前市(エチ)まで、北陸で行われる工芸祭をめぐり、3つのスタンプを集めると、抽選でGO FOR KOGEI 特製サコッシュ(かばん)をプレゼント。
高岡クラフト市場街も連携しており、「工芸都市高岡クラフト展」の会場(10月22日〜24日 富山県高岡市御旅屋町101番地 御旅屋セリオ)に、スタンプブースが設置される予定です。
高岡クラフト市場街で「トヤ・エチ・ラリー」のスタンプブースが設置されます(写真は2019年の市場街)
特別展5会場に入場でき、「トヤ・エチ・ラリー」参加券をはじめ様々な特典がついたお得な共通パスポートも販売予定。北陸の工芸をめぐってみてはいかがでしょうか。
共通パスポート
詳細はGO FOR KOGEI 公式ウェブサイト(https://goforkogei.com/)をご覧ください。
【GO FOR KOGEI 2021 開催概要】
北陸工芸の祭典「GO FOR KOGEI 2021」
テーマ:工芸の時代、新しい日常
コア会期:2021年9月10日(金)~10月24日(日)※「トヤ・エチ・ラリー」「ホクリク・スタジオ」は8月28日-11月28日に開催
主催:北陸工芸プラットフォーム実行委員会、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
主管:認定NPO法人趣都金澤
共催:金沢21世紀工芸祭実行委員会、クタニズム実行委員会、ガラスフェスタ(富山ガラス工房)、高岡クラフト市場街実行委員会、RENEW実行委員会、クラフトフェス実行委員会
後援:富山県、石川県、福井県、富山経済同友会、金沢経済同友会、福井経済同友会、金沢市、金沢青年会議所、JR西日本、北日本新聞社、福井新聞社
特別協賛:ビーインググループ、マツモトインベストメント株式会社、三谷産業株式会社、樂翠亭美術館、リバーリトリート雅樂倶
特別協力:富山市、高岡市、能美市、小松市、越前市、北國新聞社
協力:勝興寺、那谷寺、大瀧神社・岡太神社
※北陸工芸の祭典「GO FOR KOGEI 2021」は、令和3年度日本博主催型・共催型プロジェクトです。