国宝・瑞龍寺で、新たな刺激と繋がりをもらう。「高岡熱中寺子屋」講義レポート(春からの“寺子”も絶賛募集中!)

2020.03.31 UP

高岡市内の国宝・瑞龍寺を拠点とし、世代を超えてつながる学びの場があります。

その名は「熱中寺子屋」。

もともと2015年10月に山形県高畠町で、廃校を利用して始まった「熱中小学校」をモデルに、全国3番目の「熱中小学校」として2016年に始まった取り組みです。

約半年間、月1回集まって、地元や全国で活躍されている方を講師としてお話を伺ったり、実習などを行ったりするほか、「課外授業」として県内各地のお祭りをみんなで見に行ったり、「部活動」を行ったりと、様々な展開が広がっています。講師もIT企業などの社長、大学教授、デザイナー、技術者、職人など幅広く、ここでしか聞けないような話が盛りだくさん。現在は4月18日(土)から始まる第8期を募集しています。

 

荘厳な雰囲気の瑞龍寺のなかで、一体どんなお話が聴けるのか?

第7期の、ある日の講義の様子をご紹介しましょう。

 

瑞龍寺の廊下を歩き、会場の「大庫裏」へ。

 

「大庫裏」は寺の台所。大きなかまどのある土間の、隣の和室が教室になっています。

 

この日は「情報」の授業として、「世界最高齢アプリプログラマー」として知られるITエヴァンジェリストの若宮正子さん、そして「家庭科」の授業として、北陸唯一の種麹店である石黒種麹店の石黒八郎さんが先生として来校。

 

1限目、若宮正子さんの授業の様子。

 

「私は創造的でありたい」と題された若宮先生の授業では、エストニアの電子政府のお話を中心に、様々な事例を紹介していただきました。

いろんな国に占領された歴史をもつエストニアは、「情報は国家なり」という理念を持ち、外国人でも仮想国民になれる”e-residency“という制度を持っています。「国民のデータがあればどこにでも国が作れる」「世界中に仮想国民がいれば、何かあっても世界中から声を上げてくれる」という考え方で、国の防衛をソフトパワーから行おうという画期的な制度です。若宮先生もエストニアの仮想国民になっていて、日本にいながらエストニアに会社を作ることだってできるのだそうです。

 

そのほか、スウェーデンの男女共同参画社会づくりのお話や、イスラエル製の視覚障害者のためのウエアラブル端末を体験したお話、たった10歳で起業家になる!と宣言しクラウドファンディングで資金を集めてエストニアに行った日本人の女の子のお話など、普段見ている世界を超えさせてくれるような、新たな視点をたくさんいただくことができました。

 

「年齢は単なる数字にすぎない」「人間70、80は伸び盛り!」と断言する姿が、とても格好良く、みなさん熱心にお話に耳を傾けていました。

 

休憩を挟んで2限目へ。

 

2限目は、全国に10軒ほどしかない種麹店の1つ、石黒種麹店の当主・石黒八郎先生による「腸内環境にやさしい発酵食品」。

南砺市(福光)で江戸時代から麹を作っていましたが、種麹店として明治28年に創業。一子相伝という希少な技術で受け継がれてきた独自の種麹を用いて、麹を昔ながらの麹蓋製法で1枚1枚手作りしています。種麹は、現在では6種培養しているとのこと。上の写真で手に持っているのが麹蓋ですが、驚きなのは、これを逆さにしても落ちないということ。たくさん菌糸がついているのは、いい麹である証拠だそうです。

 

授業終了後に間近で見せていただいた麹蓋の麹。フワフワぎっしりとした力強い麹です。

 

米が麹になることでの大きな変化は、米になかった酵素が100種類、成分が400種類生まれることだそうです。麹や発酵食品は近年大変注目を浴びていますが、なかでも日常に取り入れやすい食品の1つとして「甘酒」をご紹介いただきました。

 

1人1人に甘酒の試飲が配られました。

 

甘酒が「飲む点滴」と呼ばれているのは、聞いたことがある方も多いでしょう。実際、甘酒には、ブドウ糖、必須アミノ酸9種類、ビタミンB群が豊富に含まれ、これが点滴の成分とほぼ同じなのだそうです。また、オリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれており、これらが「第2の脳」と呼ばれる腸内環境を整え、体の免疫力や肌の保湿力を高めてくれるといわれています。最近の研究では、「エルゴチオネイン」という、抗酸化力が非常に高い成分が含まれていることもわかっています。そのパワーたるやビタミンEの7000倍ともいわれ、石黒先生いわく、「1g20万円もする美容成分」なのだとか(!)。

 

笑いを交えながらのお話で、会場は終始楽しげな雰囲気に包まれていました。

 

ちなみにこの熱中寺子屋、毎回違う先生が違うテーマでお話をしてくれたり、生徒(寺子)どうしの活動や交流も盛んに行われたりしているので、期をまたいでリピート受講している方もたくさんいます。

1期からずっと受講している寺子の方に「熱中寺子屋」の魅力を伺ってみると、こんな答えが返ってきました。

「毎回の講義で、知らない世界の扉がちょっとだけ開くんですよ。1時間半だけだと分からないこともあるから、そこから気に入ったこと、気になったことをネットで調べたり、実際見に行ってみたりしています。テレビだと聞き流してしまうテーマでも、生で聴くことで興味が湧くことも多いんです」。

 

4月からの第8期も多種多様なテーマと講師陣が勢ぞろい。世界を広げたい方、仲間を見つけたい方は、まずは見学からでも参加してみては?

 

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「高岡熱中寺子屋 第8期」

・日 時  令和2年4月18日(土)~9月19日(土)13:00~16:30

           ※5月15日(金)、9月23日(水)は課外授業(自由参加)

・会 場  国宝・瑞龍寺 大庫裏 ほか

      ※初回4月18日はネット配信予定

 

・日程・参加方法等

 https://www.necchu-terakoya.com/blank-4

・講師陣とテーマ

 https://www.necchu-terakoya.com/7

 

 

 

◎高岡熱中寺子屋

https://www.necchu-terakoya.com/

https://www.facebook.com/necchuterakoya/

 

 

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