【日本遺産】高岡市が「重点支援地域」に選定されました!

2021.07.30 UP

地域の持つおもしろい歴史ストーリーを文化庁が審査し、認定する「日本遺産」。令和2年度までに、高岡市の2つのストーリーを含む104件が日本遺産に認定されています。本年度から新たに評価制度が導入され、各地域の「日本遺産」に関するこれまでの取組みや今後の活用計画が審査されました。審査の結果、高岡市の日本遺産ストーリー「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡―人、技、心―」は「認定継続」となり、さらには他地域のモデルとなる「重点支援地域」に選ばれました。

今年度評価の対象となったのは、平成27年度に認定された18件のストーリー。そのうち「重点支援地域」に選定されたのは4件のみ。訪日外国人を呼び込む意欲や可能性が高い日本遺産として評価されました。

この機会に、改めて、魅力あふれる高岡市の日本遺産ストーリーをご紹介します。ストーリーは全部で4つの場面から構成されています。

 

〔場面1〕150日で高岡城を築城、しかし6年で廃城へ…

今から約400年前に加賀前田家2代目当主・前田利長が、この地に高岡城を築き、高岡の町が開かれました。利長は現在の山町筋を商人のまち、そして川を挟んだ対岸の金屋町を職人のまちとして整備。高岡は着々と城下町としての歩みを進めていました。

しかし、開町からわずか5年で利長は他界、さらに一国一城令により、高岡城は廃城となってしまいました。お城がなくなっては城下町は存在意義を失ってしまいます。高岡はたちまち絶望の淵に突き落とされます。

 

〔場面2〕武士のまちから、町民のまちへの大転換

そこで登場するのが三代目当主・前田利常。利長の義理の弟にあたる人物です。浮足立つ町民に活を入れ、高岡のまちの立て直しに着手します。利常は、高岡町民の他所転出を禁じ、その上で高岡を麻布の集積地とし、さらに塩や魚の問屋を営む権利を与えるなど、高岡を城下町から商工都市への転換政策を積極的に講じていきました。

また、利常は異母弟である自分に家督を譲ってくれた利長に深く恩義を感じていました。その遺徳を偲ぶために建設されたのが、県内唯一の国宝「瑞龍寺」。その異例な規模から、利長への感謝と、まちの繁栄を願う気持ちが伝わります。

 

〔場面3〕「加賀藩の台所」として隆盛を極めた高岡

こうした政策の中、高岡町民も利常の保護と期待に応えます。鋳物職人たちは、はじめは鍋・釜などの生活用具を中心に製造していましたが、次第にその技術を磨き、花瓶、仏具など装飾性の高いものを製造しはじめます。また、商人たちは、北前船で全国各地に販路を確保し、海外貿易にも進出。高岡は「加賀藩の台所」として隆盛を極めました。

 さらにこうして得た財を、町民たちは町の繁栄へと還元します。例えば「高岡御車山祭」の御車山。7基の山車が町ごとにその美しさを競い合う中で、高岡の伝統工芸の粋を集めた装飾が施されていき、現在の豪華なものになりました。まちの発展に貢献してきた町民の心意気の象徴です。

 

〔場面4〕町民の心意気と、ものづくりの魂をこれからも

町民自身が担い手となって発展してきた高岡のまち。近代以降も常に日本海側屈指の商工都市として気を吐いてきました。最近では、鋳物業などの伝統産業は現在の暮らしに合った最先端デザインで全国から注目を集めています。また、町並みや伝統行事などにも町民の歩みが色濃く残っています。町民の心意気は、400年たった今でも現代の人々に受け継がれているのでした。 

 

めでたしめでたし。

 

 

 

いかがでしたか。普段何気なく歩いていたまち並みや目にしていた建物、さらにはお店に並んでいる美しい伝統工芸品も、400年前のご先祖様から受け継ぎ、現代の私たちの生活に溶け込んでいるものだということが分かります。

 

昨年12月に重要伝統的建造物群保存地区に選定された吉久の町並みや、3月に平成の大修理を終えた勝興寺など、今注目の的である高岡市北部地域のスポットも日本遺産の構成文化財のひとつです。「重点支援地域」に選定された魅力溢れる高岡の日本遺産。この機会に、改めて巡ってみてはいかがでしょうか。

 

▼日本遺産ストーリー全文はこちらから

https://www.city.takaoka.toyama.jp/bunsou/story.html

 

▼高岡市のもう一つの日本遺産・北前船のストーリー全文はこちらから

https://www.city.takaoka.toyama.jp/bunsou/kitamae.html

 

▼まち歩きのおともに!「たかおか山町筋金屋町まち歩きガイド」

https://www.takaoka.or.jp/news/archives/8422

 

 ▼日本遺産の継続審査結果について、詳しくはこちら

 https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93231601.html

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