ものづくりのまち高岡で、工芸・クラフトに思う存分出逢える恒例イベント「工芸都市高岡の秋 2025」。日程速報!

2025.07.15 UP

 

 

毎年秋に高岡の中心市街地で行われているクラフトの祭典「工芸都市高岡の秋」。2025年も、9月・10月に多くのイベントが開催されます。ひと足先に、その開催日程と見どころを一部ご紹介します!

かつて城下町だった駅前の御旅屋エリアから、工芸文化の発展にも寄与した豪商たちのまち山町筋、そして高岡鋳物発祥の地・金屋町へと続く、ものづくりのまち高岡。往時の風情を残す町並みを歩いて巡れば、今も息づく伝統と最新の工芸・クラフトまでとことん味わい尽くせます。ぜひこの機会に訪れてみては?

 


 

◆市場街

「市場街(いちばまち)」は、クラフトやアートに関する展示や販売、オープンファクトリーやワークショップなどで伝統工芸やクラフトを体験することができる総合イベント。今年で14年目となり、高岡の秋の風物詩となった「市場街」は、2022年に「グッドデザイン賞」、2023年には「ふるさとイベント大賞(大賞・内閣総理大臣賞)」を受賞するなど、まちづくりの観点からも注目されています。

 

市場街 2025 開催概要
 期間:9月20日(土)〜23日(火・祝)
 会場:高岡中心市街地ほか(山町筋、御旅屋エリアを中心とする)
 公式HP:ichibamachi.jp
 公式インスタグラム:@ichibamach
 問合わせ先:高岡クラフト市場街実行委員会 ichibamachi@gmail.com

 

<イベントピックアップ>

 

●クラフトとフードのマルシェ「ものの市」

クラフトショップのポップアップストアや、クラフトに関するワークショップのほか、昼飲みができるドリンクとフードの店などが出店。当日は400年の歴史を伝える町並み山町筋が歩行者天国となり、ストリートイベントも開催されます。

開催日:9月20日(土)21日(日)
 場 所:山町筋(東側)

 

●市場街限定フードイベント「味趣の乱」

山町筋にある飲食店が、「市場街」の開催に合わせて新しいメニューを提供。期間限定、この時だけの特別な食体験を!

開催日:9月20日(土)〜23日(火・祝)
 場 所:山町筋

 

●伝統産業の工房をめぐる「オープンファクトリー」

伝統産業が継承される高岡のまち。普段は入ることができない工房や工場で職人の技を見学できる、「市場街」ならではの貴重な機会です。バスツアーも予定されていますが、工房によっては終日見学できるところも。詳しくは今後更新される公式HPとインスタグラムでご確認ください!

開催日: 9月22日(月)を中心に予定
 場 所:高岡市全

 

●若手作家たちのアート展「高岡で澄む」

高岡にゆかりのある作家たちによるグループ展。趣の異なる5つの会場を舞台に、若手アーティストたちの作品をゆっくりと鑑賞できます。

開催日: 9月20日(土)~23日(火・祝)
 場 所: 旧ART & FASHION GALLERY Nakamura(御旅屋)/1970西繊ビル/Ahora Aqui/土蔵造りのまち資料館/Piilo

 

●マスターになった職人と話せる「職人BAR」

「市場街」の夜を彩る特別なイベントが復活!昼間は高岡の伝統産業を現場で支える職人たちが、この夜だけはBARのマスターに変身。仕事中には聞けないディープな話題で盛り上がろう!

開催日: 9月22日(月)、23日(火・祝)
 場 所: レーベン高岡1F特設スペース/サカサカ

 

※各イベント内容は掲載日時点のものです。最新の情報や開催時間は公式HP(https://ichibamachi.jp)でご確認ください。

 

<主催者コメント>

高岡クラフト市場街実行委員長の國本耕太郎さんからコメントをいただきましたのでご紹介します。

「『市場街』がはじまったきっかけは、『高岡クラフトコンペティション』を盛り上げようと、有志が集まり4つくらいのイベントからスタートした取り組みでした。それからどんどん広がり、関連イベントを含めると今では100を超える会場が一体的につながるイベントになりました(2024年実績)。

この『市場街』という名前には、“ものと人が行き交って新しい価値観やつながりが生まれる場にしていきたい”という想いが込められています。イベント期間だけ盛り上がるのではなく、365日、新しい試みをすることで、日々の生業や暮らしが生き生きとしていくことを目指しています。高岡に来ていただける皆さんにも、積極的に関わってもらえたらと思っています。地元の富山大学にはプロジェクト授業として企画や準備に関わってもらっていますが、『市場街キャスト』というボランティアには全国の様々な大学から学生も参加してくれています。これがきっかけで移住したり、結婚したりした人もいますね。

昨今、日本の観光地ではオーバーツーリズムが問題になっていますが、高岡はゆったりとしていて伝統的な風情もあって滞在しやすいですよ。作られた観光地ではなくて、実際に街の人々が生活している。その場所がそのまま魅力的なので、それを感じてもらえたら嬉しいですね。」

 


 

◆ミラレ金屋町

千本格子の町家が立ち並ぶ高岡の鋳物発祥の地「金屋町」をリアルに体験できるイベント「ミラレ金屋町」。

金屋町の町家や石畳の通りを実際に歩いて、金屋町の模型にあなたのお気に入りポイントを記録する体験型まち歩き企画、作家・職人直伝の体験型ワークショップ、住民とのお茶会や工芸作品の展示販売、地元の味自慢が並ぶグルメ横丁、着物ファッションショーなど、金屋町の魅力をまるごと知って、見て、体験できる2日間のイベントです。

ミラレ金屋町 2025 開催概要
 期間:9月20日(土)、21日(日)
 会場:金屋町石畳通り周辺
 公式HP:www.mirare-kanayamachi.com
 問合わせ先:ミラレ金屋町実行委員会 mirarekanayamachi@gmail.com 
 高岡市商業雇用課 0766-20-1289

 

 

 

<主催者コメント>

ミラレ金屋町実行委員会副委員長の富山大学学術研究部芸術文化学系 准教授 横山天心さんからコメントをいただきましたのでご紹介します。

「2008年度から『金屋町楽市inさまのこ』を開催していました。金屋町を“ゾーンミュージアム”として工芸品を展示するイベントでしたが、10回目の開催を迎えたところで、もっとまちに寄り添った、まちづくりにも寄与できるものにしていこうと、2018年度からは『ミラレ金屋町』が始まりました。『ミラレ』というのは、『~してみてください』という意味の地元の方言です。住民の皆さんと一緒にワークショップで話し合ってイベントの趣旨と名称を決めました。これまでイベント以外にも、空き家とその活用事例を紹介した『Mousou 01~04』や、金屋町の住民目線で金屋町の魅力スポットをまとめた『金屋町生活マップ』、先輩移住者のインタビューをまとめた『石畳DM』などを作成し、金屋町への移住促進にも寄与してきました。

ミラレ金屋町の見どころは、着物ファッションショーや工芸作品の展示、金屋の住民がお茶とお菓子で来訪者をもてなす茶飲み談義スペースなど色々ありますが、自ら着物を着て散策を楽しめる和装体験もおすすめです。当日、予約なしで着物一式をレンタルし、その場で着付けしてもらえるので、タイムスリップした気分でぜひ風情ある金屋町の暮らしを体験してみていただきたいですね。」

 


 

◆工芸都市高岡2025クラフト展

全国の優れた作り手の作品を紹介する総合展示会。1986年から始まった「工芸都市高岡クラフトコンペティション」は、素材や用途を問わない地域発の珍しい全国公募展としてこれまで数多くの若い才能・作家を発掘してきました。

本展では、金属、漆、ガラス、テキスタイル、家具など、全国から寄せられた様々な作品が一堂に会します。また、気に入った作品は予約注文で購入することもできます。

さらに今年は高岡に加え、東京でもコンペで生まれた作品や作家を紹介する展示を開催予定です。素材の魅力を活かした優れた逸品に出逢える機会に、ぜひお越しください。

 

工芸都市高岡2025クラフト展 開催概要
 <高岡会場>
 期間:10月17日(金)〜19日(日)
 会場:御旅屋セリオ 2階特設会場(高岡市御旅屋町101)
 <東京会場>
 期間:12月18日(木)〜27日(土)
 会場:GOOD DESIGN Marunouchi(千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F)

 公式HP:www.ccis-toyama.or.jp/takaoka/craft
 公式SNS:インスタグラム:@takaoka_craft
      Facebook:https://www.facebook.com/takaoka.craft/
      X:https://x.com/crafttakaoka

問合わせ先:工芸都市高岡クラフトコンペ実行委員会 takaoka.craft@gmail.com 
       高岡商工会議所内 0766-23-5002

 


 

◆クラフトフェア ツギノテ

全国のクラフト作家とモノづくり職人たちが一堂に会す、産地特化型のクラフトフェア。マーケットや展示はもちろん、ワークショップやフード、音楽やキッズエリアなどが高岡駅前の立体駐車場最上階に集結。まちを一望しながら楽しめる2日間です。つくる・つかう・つなげる人たちで生まれる“新たなご縁やアイデア”が、それぞれにとっての「ツギノテ」に。

 

クラフトフェア ツギノテ2025 開催概要
 期間:10月18日(土)〜19日(日)
 会場:高岡市営中央立体駐車場 最上階(高岡市下関町6丁目11)

公式HP:tsuginote.jp
 公式インスタグラム:@tsuginote_craft
 問合わせ先:ツギノテ実行委員会 tsuginote.craft@gmail.com 

 

●産業工芸博覧会エリア

メーカー・職人たちによる、作り手のストーリーを知り、体験することができる産業展示型の特別ブースが立ち並びます。

 

●マーケット&クラフトエリア

全国からクリエイターが集結し、作り手との出会いが生まれるマーケット。フード販売もあるので、一日ゆっくりと楽しむことができます。子どもたちがくつろげるキッズエリアも(画像はイメージです)。

 

<主催者コメント>

ツギノテ実行委員会 代表の株式会社ROLE 羽田純さんからコメントをいただきましたのでご紹介します。

「『ツギノテ』は、富山県内外の製造業やものづくりに関わる人たちが集まり、技術や仕事をお互いに見せ合うことで新しい関係を作って、産地をパワーアップさせるためにはじめた新しいタイプの祭典です。工場や工房を公開するオープンファクトリーが今の産業観光の主流ですが、たくさんの事業者が参加すればするほど、すべてまわることができなくなるという課題がありました。このイベントは、それぞれ約1坪(約3.3㎡)のスペースに“仕事”をもってきてもらい、1か所にまとめることですべて見てもらえるようになっています。

ものづくりに携わっていない一般の方も、ワークショップで仕事を体験したり職人と直接話ができるので、普段なかなか接する機会のないものづくりの魅力に触れることができますよ。

このイベントの特長は、出展者が自社商品をもっていなくても“技術”を展示できるというところです。ものづくりの業界の人たちは、パートナーになれるかどうかを展示を見て探すことができます。実際に出展者同士のコラボレーションが生まれていますし、同じ業界内での連携にとどまらず、繊維関係と高岡の伝統産業とのコラボレーションなど異業種間の展開もはじまっています。

今回は、もっと家族連れの方にも来ていただきたいと考えていて、キッズエリアを充実させる予定です。ものづくりに関連して、地元の高校生に協力してもらい工作が楽しめるコーナー、工場の廃材などを組み合わせてものづくりができる場所などを計画しています。

『ツギノテ』は、あの手・この手・次の手で、産地を成長させていきたいと思っています。」

 


 

高岡の伝統的な町並みをゆっくりと歩きながら、新しい取り組みで活気あふれるものづくりの魅力に触れる旅に出てみてはいかがでしょうか。きっと思いがけない新たな出逢いが待っていますよ。

 

 

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