御旅屋通りを歩いていると目に留まる、フライヤーがたくさん貼ってあるお店「ハワイアンカフェhanohano」。店主の堤谷亙さんは2015年に高岡に移住。シンガーソングライターとして活動しながら、音楽イベントを通じた地域振興を目指し、「Crossover Project」や「高岡LOVERS」といった団体を主宰しています。
「音楽を通じて人が笑顔になったり、新しい人の流れが街に生まれたりしたらいいなと」と堤谷さん。
2016年に始めたCrossover Projectでは月に一度、高岡駅のコンコースで『クルンで歌おう』を開催。毎回約10組ほどのステージが披露され、このイベントを楽しみに訪れる人や通りかかって足をとめる人で賑わいます。演奏者も、はじめはプロジェクトのメンバーが中心でしたが、イベントの浸透とともに県内各所や金沢からも参加者が集うようになりました。「チャレンジ枠」という小学生(!)〜大学生までの若者向けの枠にもたくさんの応募があるそうです。
高岡LOVERSでは音楽を中心とした文化祭「タカブン・ミュージックステージ」を、2018年から高岡文化ホールを貸し切って開催。中学校や高校の軽音部など、発表の場が少ない若者がステージに立てる機会を積極的につくってきました。
堤谷さんの出身は富山県魚津市。高校時代から音楽をはじめ、一度は音楽から離れるなど紆余曲折ありながらも、40代後半で再び音楽の世界へ。その頃にちょうど、まだ自分の記憶がなかった乳児期、父親の会社でニュースになる大事故が起こり、全国から義援金が集まっていたことを知らされます。
「助けられて生きてきたんだと実感して。それがちょうど、もう一度音楽をやろうと思ったタイミングでした。それで『かつてもらった恩をお返ししたい』と、音楽で地域振興をするイベントを色々とやり始めて。高岡を拠点に選んだのは、各地で歌ったなかで一番街の人の反応が温かかったからですね。」
様々な活動実績から、2024年には「高岡市ステージ公演チャレンジ支援事業」に選定されます。12月28日には収容人数300名の高岡市生涯学習センターホールにて、堤谷さんと、堤谷さんが輝いていると感じる演奏者によるコンサート『この星空をみせたくて』が開催されます。
さらに2025年の10月には『高岡ジョイントベース』という大規模な音楽イベントを「SONGS音創会」と共同企画中。駅コンコース、山町筋、高岡大仏、御旅屋通りなどの5会場でそれぞれジャズやロックが奏でられ、回遊しながらの街歩きも楽しめるイベントになるそうです。
「運営団体の代表には若者を据えて、大学生や軽音楽部の高校生も一緒に開催します。街の空気に「音」を感じられる、ワクワクする音楽シーンを高岡につくっていきたい。『音薫る街・高岡』を目指して、音楽で盛り上げていきたいですね。
wataru in 音楽イベント「この星空をみせたくて2024」
日時:2024年12月28日(土) 18:30開場 19:00開演
会場:高岡市生涯学習センターホール(ウイング・ウイング高岡4階)
出演:wataru、O-Z倶楽部、長谷川綵(H★POWERプロダクション 富山ブランチ)、リコ・リーハウ・メレ佳永子(フラ ハーラウ プア オヒア ヴァイリウラー)、中村水美、中島聡美(Na Lei Pualani Hula Studio 富山校)
入場料:1,000円
問合せ:Hawaiian cafe hanohano TEL:080-3049-5442
主催:wataru
後援:高岡市、公益財団法人高岡市文化振興事業団、北日本新聞社
協力:Crossover Project
令和6年度高岡市ステージ公演チャレンジ支援事業