23年の時を経て、平成の大修理が完工!雲龍山勝興寺を訪れてみませんか?

2021.03.31 UP

高岡市の伏木地区にある雲龍山勝興寺(しょうこうじ)は、本堂や唐門など計12棟が国指定重要文化財となっている、高岡の貴重な歴史的建造物の1つです。

 

この広大な真宗寺院の興りは戦国時代の15世紀後半に遡ります。越中一向一揆の拠点として強大な力を誇っていた勝興寺はその後、1584年(天正12年)に奈良時代の越中国庁があったとされる現在の地に移転。江戸時代には加賀前田家と密接な関係を保ち、地域の門信徒に愛されながら、広壮な伽藍を築き上げてきました。

 

唐門。京都から移築されたもので、今回の修理で屋根が檜皮葺(ひわだぶき)に

 

大修理が始まったのは、1998年(平成10年)。各建物の損傷具合に応じた修理を行いながら、江戸時代後期の姿の復原を目指し、以後23年間修理が進められてきました。2020年(令和2年)9月にはすべての工事が完了。残る堀や景観整備も3月にはすべて終了しました。

 

すでに一般見学は可能となっていますが、寺院の様子を少しだけご紹介しましょう。

勝興寺には門信徒がいつからか伝えてきた「七不思議」が存在。これはその1つ。

 

本堂の軒四隅を支える猿(あまのじゃく)も「七不思議」の1つ。魔除けの意味があるとされるが、軒の支えにあまのじゃくを配するのは珍しい。実物は現地で確かめてみて

 

本堂と本坊を結ぶ長い廊下も特徴的。門信徒専用と僧侶専用に分かれている

 

勝興寺は多くの宝物が所蔵されていることでも有名。その代表が洛中洛外図。書院にてこのレプリカを見ることができる。書院の長押の各所に見られる、豪華な「くぎ隠し」も見つけてみてほしい

 

全解体修理が行われた台所。広い土間と板の間で構成され、大かまどや深井戸、囲炉裏が備わっている。床上に井戸があるのは非常に珍しい

 

お城のような風格をもつ「鼓堂」。かつて、寺院内の僧侶たちに時を知らせるために太鼓を叩いた場所

 

江戸期の建物がそのまま残り、さながら江戸時代の景観を楽しめる勝興寺。大修理の完工に合わせ、音声ガイドも新たに登場しています。より奥深い魅力を知るためにも、ぜひ利用してみては。

 

なお、伏木には他にも北前船資料館や万葉歴史館など、さまざまな時代を辿れるスポットもあります。

 

万葉歴史館のカタクリの花も見頃を迎えています。 >>万葉歴史館リンク

 

春のおでかけに勝興寺を訪ねながら、伏木地区をお散歩してみてはいかがでしょうか?

 

◎雲龍山勝興寺

拝観時間 9:00~16:00(入場は15:30まで)

工事協力金 大人500円、小人(中学生以下)無料

https://www.shoukouji.jp/

 

◎高岡発瓦版:伏木・北前船編

https://www.toyama-ebooks.jp/book/id/2542

 

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