万葉びとのカラフルな衣装から、当時の歌人に想いを馳せる。「山口千代子万葉衣装展」、高岡市万葉歴史館にて開催中(〜11/30)

2020.10.02 UP

鮮やかな色の組み合わせや、遣唐使によってもたらされた大陸のエキゾチックな文様、艶やかなフォルムのもの、シンプルながらエレガントさを感じるもの・・・。

 

高岡市万葉歴史館に11月30日(月)まで並ぶ、これらの色鮮やかな衣装の数々は、奈良県在住の古代衣装研究家、山口千代子さんが文献などをもとに復元し、制作したもの。

 

柿本人麻呂が活躍した藤原京時代から、聖武天皇・光明皇后の天平時代、大伴家持の父の大伴旅人が開催し、新元号「令和」の典拠となった「梅花の宴」など、それぞれの時代に生きた万葉びとの衣装が、珠玉の万葉歌とともに展示されています。

高岡市万葉歴史館は、「万葉集」をテーマに全国初の専門博物館として1990年に開館。今回の万葉衣装の展示は、開館30周年を記念する特別企画として開催されているものです。山口さんの全面協力を得て、山口さんが新たに制作した作品を含む衣装20点と、万葉衣装に関連した資料 計48点を展示し、訪れる人々を魅了しています。

 

 

たとえば、上の写真は奈良時代の朝廷の重要儀式で高い位にあった貴族が着用した礼服で、「養老衣服令(ようろうえぶくりよう)」をもとに推定復元したもの。男性用は大伴家持をイメージしているそうです。

 

また、本展では万葉衣装に加え、大正末から昭和初期にかけて正倉院宝物の修理と模造製作にたずさわった工芸家の吉田包春(よしだ・ほうしゅん)による「子日目利箒(ねのひのめどきのほうき)」(儀礼用の箒)と、その台「粉地彩絵倚几(ふんじさいえのいき)」などの正倉院宝物の複製品も初公開されています。

 

万葉歴史館の研究員、新谷秀夫学芸課長はこの展覧会の見どころについて、「高松塚古墳の壁画をもとにした衣装や、大伴家持の時代の天皇・皇后から庶民も含めた万葉びとたちの衣装を、歌とともに展示しています。カラフルな衣装を通して、万葉びとたちの歌ごころに思いをはせてもらえればと思っています」と話しています。

 

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開館30周年記念 秋の特別企画展

「山口千代子 万葉衣装展」

【開催概要】

・会期:2020年9月2日(水)〜11月30日(月)

・会場:高岡市万葉歴史館(高岡市伏木一宮1−11−11)

・開館時間:9〜18時(入館は17時15分まで)※11月は17時閉館 (入館は16時15分まで)

・休館日:毎週火曜日(11月3日は祝日開館、翌11月4日は休館)

・入館料:一般 300円、中学生以下 無料、65歳以上 240円

・お問い合わせ 高岡市万葉歴史館 TEL 0766-44-5511

 

◎高岡市万葉歴史館 https://www.manreki.com/

 

◎高岡市公式ホームページ(「万葉のふるさとたかおか」紹介ページ)

https://www.city.takaoka.toyama.jp/bunsou/furusato-manyo.html

 

 ★当企画展は、地域の特色を生かし、「日本の美」を体現する内容として国内外に発信するものにふさわしいと認められ、大型国家プロジェクトである「日本博」の認証を受けています。
富山県内では、「大澤光民の世界ー人間国宝としての歩みー」と「山口千代子 万葉衣装展」の2つ(いずれも高岡市で開催)が展覧会として県内初の認証となりました。

https://japanculturalexpo.bunka.go.jp/

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